年内に退職する後輩とランチに行って、人生をルックバックした話。

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こんにちは、ぬるいぬ(@null_inu)といいます。

先日、久しぶりに会社の後輩を誘ってランチへ行きました。社内の人間と親交を深めるつもりはさらさら無いので、基本的にOFFの時間(ランチ休憩も含む)に関わることは避けているのですが、彼は年内で退職することが決まっているので、話を聞いてみたいなと思い立ったのです。

先に断っておくと、ランチに誘ったのはあくまで個人的な興味でのことです。まだ具体的な話はついていないものの、僕も近い将来、彼と同じように「退職を控えたヤツ」になる予定なので、シンプルに心境を知りたかったというのが本心です。上司としての野暮な詮索みたいなことにはならないよう細心の注意を払いました。

この記事では、退職を控えた後輩とランチに行ったら、自分の人生を振り返ることになったというお話をしています。流行りの映画に乗っかって人生を“ルックバック”してみたアラフォーの脳内をお届けします。

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後輩を誘ってランチへ

13時過ぎに後輩と共にオフィスを出発。ジュワジュワと、そこかしこから聴こえてくるセミの大合唱が、夏の日差しを一層強く感じさせます。街にはチラホラと人手があるものの、暑さのせいか、いつもよりはまばらな印象でした。

瑣末なことに成長を感じた

行くアテもなくオフィスを飛び出してしまった無計画な自分をぶん殴ってやりたい。灼熱に絶望しつつも、なんとかスマートに店を見つけなければ。後輩に情けない姿は見せられない!と、平静を装っていたつもりでしたが…。多分バレていたのでしょう、見かねた後輩から提案が。

後輩

何個かおすすのお店あるんで、行ってみましょうか。

ぬるいぬ

お…そ、そうか。全然いいよ、任せるわ。

後輩

ほーい、じゃぁこっちに行きましょう!

ぬるいぬ

た、助かったー・・・・!!

いつも自信がなくて上司の後ろでコソコソしてた後輩くん。自らが主体となり、ランチのお店探しプロジェクトを推進する姿には成長を感じざるを得ませんでした。瑣末なことですが、自信がない時ってそんなことすらまともにできなくって呆れられるんですよね。

しかし不運にも、入ろうとしたお店が2軒連続で臨時休業という想定外の自体に。それでもめげずに粘りを見せつけ、ようやくたどり着いた渾身の小洒落イタリアン。これが最高に良かったです。

イタリアンといっても、古民家をリノベしたような温もりのある店内で、こぢんまりとした肩肘張らない感じ。トラブルも乗り越えながら見事プロジェクトをゴールに導き、顧客満足度もしっかりと獲得。や…やるじゃねぇか。ほんと、立派になったなぁ。

映画“ルックバック”を解説してもらう

元気の良い店員のお姉さんに促され、広々としたテーブルに着席。椅子に座ると、ブワッと汗が吹き出してきました。

ちょっと話が逸れますが、若い頃から自分の脇の臭いがどうも気になってしまうタチだったのですが、1年ほど前に直塗りタイプのデオナチュレ ソフトストーンに変えてから一気に落ち着きました。これマジで効果すごいのでおすすめです。

ハンカチで汗を拭っていると、お姉さんがお水とメニュー表を持ってきてくれました。僕はアスパラと豚肉のトマトソースパスタ、後輩は大山鶏のローストみたいなやつに決定。食後に冷たいドリンクも添えて注文を終えました。

いきなり退職の話をするのもナンセンスな気がしたので、アイスブレイク。

ぬるいぬ

こないだ、映画の“ルックバック”見てきたで。

後輩

お、マジですか!僕も見ましたよ!!

これは好感触。話の蕾が見つかったので、ここに水をやってみることにします(※なるべくネタバレにならないようにサラッとだけ書きます)。

彼曰く、主人公の藤野が「自分より絵がうまいやつがいるなんて許せない」と言って絵にのめり込んでいくシーンが、かつての自分と重なって感情を動かされたようです。
「悔しかった経験やその時の気持ち」を、映画を通してルックバックする(顧みる)のだそうです。上手いこと言いやがって、こんにゃろめ!!

いよいよ本題へ

食事もひとしきり終え、食後のドリンクも出揃ったタイミングで、いよいよ本題を切り出してみました。

ぬるいぬ

年内で退職が決まったんやんな。寂しくなるなぁ。

後輩

なんか、すみません…。

ぬるいぬ

いやいや、何も悪いことはしてないし謝らんといて。ちなみに、次の仕事はもう決まってるん?

後輩

実は転職活動はまだこれからなんです。退職まで時間があるので。

ぬるいぬ

たしかに。とはいえ、退職までには決めておきたいよな…。行きたいところとか、こんなことしたいって希望はあるん?

後輩

いまは結構カチッとした堅めの案件が多いので、エンタメとかアニメとか、そういう業界に関わってみたくてですね…

ここで彼の口から、転職先希望として企業名が1つ出てきました。具体的な名称は伏せますが、業界では名の知れた超有名企業です。本気で目指さないと行けないような会社で、そこにいるスタープレーヤーと仕事をしたいのだとか。

いいなぁ、なんかバカみたいな感想だけど、本当にいいなぁと思ってしまいました。新しいフィールドに向けて準備をしている期間って、めっちゃワクワクしませんか。僕は今まさにそんな気分です。早く会社を辞めて、自分の好きなことをして生きていきたいと、改めて強く思いました。

環境により変化する価値観

後輩とのランチトークの中で、ひとつ発見できたことがありました。それは「自分の価値観が、状況や環境に応じて変化している」ということでした。

自分でもあまり意識していませんでしたが、年齢を重ねると共に状況や環境が変化し、それに連動するように価値観が以下の(1)から(2)へと変化していたのです。

(1)所属することで満たされたい
(2)何にも拘束されず自由でありたい

(1)所属することで満たされたい

後輩はまだ30歳の若手ですが、一人でも十分にやっていけるくらいの実力者です。そこで、転職先がまだ決まっていないのならフリーランスはどうかという提案もしてみたのですが、この方針は意に沿わなかったようです。

その理由は、彼が「個人プレーではなく、チームの一員として目標に向かっていく環境を求めていて、あくまで組織というフィールドの中で力を発揮したい」という発想だからです。これを聞いてハッとしました。そういえば、僕も30代前半くらいはそんなふうに思っていたなと。

当時の僕は、入社6年目。ひたすらに上司のお手伝いだけをする下積期間を終え、ようやく自分にもお客さんが付き始めたというステータスでした。日々大変さはあったものの、社内のメンバーから頼りにされたり、お客さんから信頼してもらえることが嬉しくて、がむしゃらに仕事に取り組んでいた時代です。自らの意思で徹夜とかもしていました。

・最終責任が会社にある
・毎月の給料が保証されている
・財務や雑務は別の人がやってくれる
・分業で自分の得意な作業に集中できる

というように、ある程度の安全を保証をされている環境で、評価や精神的な安定を得ようという価値観です。たしかに、30代の半ばくらいまではそんな環境を与えられて、割と満足して過ごしていました。

この頃は会社を辞めるという発想は微塵もなく、「独立なんてとても無理だから、この組織のために力を発揮するんだ」といった、サラリーマンの鑑のようなマインドを持って働いていました。

(2)何にも拘束されず自由でありたい

30代半ばを過ぎた頃から、次第に自分の立場や環境が変化し、それに連動する形で価値観も変化していくことになります。変化した環境を簡単にまとめると以下のとおり。

・営業活動、売上げを求められる
・プロジェクトの進行管理をしないといけない
・部下や現場のマネジメントがメイン業務に
・ほとんどの実作業を部下に振らないと回らない
・結果、役職で言うと4つくらいの業務を兼任(ディレクター、デザイナー、プロデューサー、営業)

本来、僕がやりたかった仕事はデザイナーで、その他の業務は得意でもないし、正直やりたいとも思いません。営業やマネジメントをし始めてからは、どんどん自分でデザイン作業をできる余裕がなくなりました。

たいてい、10〜15分くらいの間隔で電話が鳴ったり話かけられたりして、とてもじゃないけど集中して作業なんてできません。自分のことを「ただの段取りおじさん」と呼んで嘲笑していました(笑)

普通に考えると、人員を補充すればいのですが、方針的になかなか実現できなかったり、人手不足問題や年次的な都合で徐々にそのように変化していき、気づいた頃にはヘトヘトに疲弊していました。

組織のメリットを享受できない環境に追い込まれたことで、「それなら場所や時間に拘束されず自由でありたい」という価値観へと変化していきました。

結論:環境を整えることで快適に生きられる

というわけで、後輩とのランチを経て自分の人生をルックバックしたよというお話でした。
結論としては、環境を整えることで自分が快適に生きられるようになるです。

人には、それぞれ活躍できる環境というものがあります。置かれた場所で咲く努力をするのも大切かもしれませんが、合わない環境で消耗するよりも、美しく咲ける場所を探す努力をした方が手っ取り早いんじゃないでしょうか。

今の自分にとって会社が居心地が良いのなら残るも良いですし、自由を求めて転職したり、独立するのも良いと思います。ただただ、自分に合う環境が何かを理解し、それに向けて整えていくという点がポイントになっていくのでしょう。僕も頑張ろ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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