週休3日以上ないと体力回復できない男、ぬるいぬ(@null_inu)です。
何度か過去の記事でも触れてきたのですが、僕は40歳になったことを機に会社を辞め、ダウンシフトすることを決意しました。この記事では、その決め手となった出来事について、すこし踏み込んでお話ししたいと思います。
実を言うと、僕をその気持ちに駆り立てた最初のきっかけは、年明けの初詣で何気なく引いた「おみくじ」でした。
そもそも労働がイヤ
エピソードゼロ的に前提の話をしておくと、なんとなく2年前(つまり38歳)くらいからはボンヤリと会社を辞めたいという想いが芽生え始めていました。
というか、そもそも気質的には会社員にまったく向いておらず、「働きてぇなぁ」と思ったことなど生まれてこのかた一度もありません。働かなくていいなら絶対に働きたくありません。
見事に社会不適合です(笑)
そういう意味では、「経済的に不自由のない営みをするために皆そうするもの」くらいでしか労働を捉えていませんでした。ほぼ惰性で就職して、ほぼ惰性で働いているだけ。
当時は「これをやりたいんだ!」という特段強い使命感もなかったので、辞めたいという気持ち自体も日常の最底辺で常にゆらゆらと漂っている程度の存在感でした。
このままでいいのかなぁ?とは思いつつ、まぁそのうちお金が貯まったら…などと自分をごまかしながら、大きなアクションも起こせないまま会社に残り続けていました。
つまり、労働に対するモチベは低いものの、かといって特に不満もないし、他に自分が何をしたいのかもよく分からないという状態でした。
予兆、新年に引いたおみくじ
今年(2024年)のお正月休み中、初詣で訪れた神社でおみくじを引いたのですが、そこにはこんなことが書かれていました。
内容の充実に力を入れ、体裁や形を造るのは後回しにする時。見た目はとてもきれいだが中身は意外と小さいという状況です。
もちろん、ただのおみくじなので、なんのことだかよくわからない抽象的な表現です。ただ、この時の僕には妙に引っかかるものがありました。
うーん、なんだか思い当たる節があるなぁ…。
その時の僕が捉えた、おみくじからのメッセージを翻訳すると次のような感じです。
- 内容の充実に力を入れ→自分を満たすことを優先せよ
- 体裁や形を作るのは後回し→お金が貯まるまで待つな
- 見た目はとてもきれい→会社ではそれなりのポジションで、信頼も得ているが…
- 中身は意外と小さい→本質的にやりたいことができていないよね
そう思うと、あれれ?妙に芯食ってきてるな、とゾワゾワしました。
特に(4)に関しては個人的にブッ刺さりました。現状の僕は、会社での立場上マネジメント的な業務が中心になっているのですが、ぶっちゃけ言うとそれにはぜんぜん興味がなくて、業務内容にも全く面白味を感じられていないからです。
面白くないレベルならまだしも、通り越して苦痛にすら感じています。
本当はプレイヤーとして手を動かすことが大好きで、そういった環境に魅力を感じて今の会社に残っていました。しかし、ここではもう自分のやりたいことができなくなってしまったのだという事実に、おみくじを通じて改めて気付かされたのです。
いままで目を背けてきた現実と、ようやく正面から向き合ったという感覚でした。
たかがおみくじですが、これをみた僕は「自分の気持ちに素直に向き合い、立場など気にせずやりたい仕事は自分でやろう」と決めました。
仕事のスタンスを変えてみた
自分の気持ちに素直に従い、年明けからは「大切な仕事は自分で手を動かす」ということを徹底しました。
これまでは、お客さんから受けたオーダーを部下に伝えて作業してもらうという流れを前提にしてきたのですが、なかなか意図に沿わなかったり、提出できるクオリティに達していなかったりで、そこにかかる手間と労力とストレスが非常に多かったのです。さらに、他人の手に渡った瞬間、その仕事に興味を持てなくなってしまうという最悪の性質を僕は持っています(笑)
マジで上司とかマネジメント職には向いてないと思います。
それがどうでしょう。自分で手を動かせば、当然自分の思った通りの完成度のものが思った時間に完成します。クオリティとスピードが上がり、さらに無駄な待ち時間が無くなり、良いことしかありません。
もちろん、自分で手を動かす労力は増えますが、そもそも楽しく取り組めるので全く問題ないですし、それによって減るストレスの方が圧倒的に多かったのです。
何よりも驚いたのが、そうして自分で手を動かした仕事の方がお客さんからの反応が良く、かつてないほどに評価が高かったということ。
お客さんから直接的に驚きと感動、そして感謝の声をいただいた時は、むしろ僕の方が嬉しくて涙が出てきました。まさかこんな結果になるとは・・・。それはなかなかに衝撃的な体験だったのです。
会社だから部下に頼まないと…(もったいない)みたいな気持ちもありましたが、全てアホくさくなりました。
きちんと自分が心から向き合いたいと感じる人とだけ、やりがいを持って取り組める仕事だけをしよう!と強く思いました。
無理が祟り体調を崩す
それ以来、僕はとにかく一生懸命ひとつひとつの仕事に丁寧に向き合いました。物理的に可能なものに関しては全て自分で手を動かし、その間にもプロジェクト管理、外部とのやりとり、部下の業務管理・チェック、営業活動、現場に赴いての監修業務などもこなしていきます。
肩書き4つ分くらいの仕事を兼任してたと思います。
プレイングしながらマネジメントや営業活動までやるという初めての試み。鬼のように最大出力で稼働し続けた結果、次第に身体が悲鳴を上げ始め、最後はシンプルにぶっ倒れました(笑)
まぁ、ぶっ倒れたというとやや大袈裟な表現ですが、毎週末になると原因不明の体調不良が発生するという状態が1ヶ月ほど続いたのち、最後は40℃の高熱で1週間ほど寝込みました。「原因不明」というのは病院でそのように診察されたのでそう書いているのですが、いわゆる風邪の諸症状(倦怠感や発熱)みたいな感じでした。
あまりにも症状がしつこいので、内科だけでなく耳鼻科にもセカンドオピニオンを求めたのですが、結果変わらず原因不明。まさかと思って最後は精神科も受診しましたが、ここでも軽くあしらわれました(笑)病名が付かないってのも辛いものですね。
今思えば、完全にストレスが原因ですけどね。
張り詰めていた糸が切れた
病床に伏せ、部屋の天井を眺めていると「よく考えてみると、僕は自分のやりたいことをやるために、その何倍もやりたくないことをやらされているのだなぁ。それが実はストレスになっていたのだなぁ。」という想いが込み上げてきました。
実はかなり会社の都合に振り回されていて、随分と自分を蔑ろにしてしまっている自分がいることに気づきました。そして、自分でも何のために何をやっているのかわからなくなり、これまで張り詰めていた緊張の糸がプツッと切れてしまったような感覚に陥りました。
なんで僕は、会社のためにこんなにも頑張って、その結果疲弊しているのだろうか…?バカじゃねえの?
ここまで18年間も耐え続け、自分の気持ちを諌めてきたのですが、それがいよいよ限界を迎えてしまいました。もはや冷静に考えられるような状況ではなく、感情の部分で「もう嫌だ、仕事のために人生捧げたくない」という思いがどうしても止められなくなってしまったのです。
感情がカオスに
それからというもの、もうダムが決壊したかのようにありとあらゆる感情が頭の中に溢れてきました。
【邪悪なる心の叫び】
あれ?ちょっとまてよ。もうこれ自分だけで仕事した方がいろいろ良くない?無理に会社に残って疲弊するよりも、丁寧に真摯に向き合える仕事だけ受けて、自分らが食っていける程度の売り上げだけ稼げれば全員ハッピーなんじゃね?会社にいるせいで余計な売り上げ作らされてない?だったらそういうの上手い人がやればよくない?仕事の進行も部下の教育も営業活動も、得意な人がやれば良くない?俺はそういうの苦手だし、現場でプレイングしてたいだけ!それがやりたくてここにいるんじゃなかったっけ?立場って何?なんで俺ができない部下の面倒見ることに時間と労力を捧げなきゃいけないの?なんで売上のために興味のない仕事をねじこまれなきゃいけないの?
もはやカオス状態(笑)
いままでずっと目を背けてきた自分の本心に気づいた途端、会社という組織でいかに合わないことをやらされてきたのかがめちゃくちゃクリアになりました。ある種の洗脳状態が解けて、その異常さを腹の底から理解した感覚でした。
すずひらさんの書籍でカタルシス
ちょうどこのころ、AmazonのKindleで仕事との関わり方や人生について様々な本を読み漁っていました。
そこで偶然出会ったのが、すずひらさん著のという本。 「会社を辞めて生き方を変えることにした: 惰性で生きてた僕が、一度きりの人生の生き方を変えるまでの話」
著者の経験談を軸に描かれたノンフィクション作品で、惰性で会社勤めをしていたごくごく普通の30代男性が人生を変えていくというストーリー。これが自分の状況と重なって、とんでもないカタルシスを巻き起こしてくれました。
とにもかくにも言語化のスキルがずば抜けていて、僕が感じていたなんとも言えない生きづらさ、虚無感、労働の理不尽さ、燃え尽きた感、人生の儚さなど、すべてが言葉で語られていました。ストーリーも相まってですが、後半は読んでいて涙が止まらなるほどに共感できました。
あの涙は、真実に気づいたおぢが覚醒するにあたり、脳内に蓄積した思い込みや常識、こうあるべきというある種の洗脳から解き放たれるためのものだったと認識しています。
こちらの書籍、あまりにも多くの人の共感を呼び、Amazonのレビューでは高評価の嵐。その人気ぶりが昂じて、さらにパワーアップしたが商業出版されました。本当におめでとうございます。 「ひたすら会社で働く生き方から降りることにした」
会社を辞めて人生を変えるという決断を後押ししたのは間違いなくこの書籍であり、すずひらさんの言葉です。忖度なしで、めちゃくちゃいい本だと思っているので、このブログを読んでいるあなたにはぜひ手に取っていただきたい。人生変わるかもですよ。
まとめ:人には、それぞれの居場所がある
おみくじをきっかけに、仕事への取り組み方を見直し、さらに人生の見直しにまで発展したというお話でした。
改めて、真実に気づかせてくれたすずひらさんへの感謝も述べさせていただきます。ありがとうございます。
人間、苦手なことを無理して克服するよりも、得意をもっと伸ばすことに時間をかけた方が圧倒的に幸福度が上がると思うのですよね。あなたにはあなたの居場所があるのです、絶対に。疲弊してばかりの会社に無理して残るよりも、自分が楽しく健やかに生きられる場所を探した方が良いと僕は思っています。
淡水魚が海にいたら死んじゃうよって話です。
そのために僕は、労働と消費を繰り返すだけの世界線から脱却するという結論に至りました(これについてはまた別記事で)。
具体的には会社員を辞めて、ほどほどの食料を自給しながら、自分が本当にやりたい仕事だけをしてお金を得ようと思っています(軌道に乗るまではバイトが必要かもしれません)。細々と、だけど心は豊かに暮らすという生き方を選びました。
とはいえ、この挑戦はまだ始まってすらもいません。いまはまだ、スタートに向けての準備を進めている段階に過ぎませんが、いつか必ず自分の居場所で自分らしく生きていくライフスタイルを実現します。
結構ビビってますが、一方でワクワクもしています。
それでは、今回はこのへんで。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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